暖房検証② セントラルヒーティング(北海道向け)

その他検証
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はじめに

前回、冬季3か月間のセントラルヒーティングによる様子をみていただきましたが、それを基にセントラルヒーティングとエアコン暖房の比較をしてみたいと思います。まずは都市ガスを熱源としたセントラルヒーティングの暖房消費量の表です。

ガス消費量(給湯・調理) 暖房日数(11/20~2/15) 総消費量 給湯・調理 暖房 総時間(88x24) 消費量/h
1.0/日とした場合 88 566.84 88 478.84 2112 0.227
1.2/日とした場合 88 566.84 105.6 461.24 2112 0.218
1.3/日とした場合 88 566.84 114.4 452.44 2112 0.214
1.4/日とした場合 88 566.84 123.2 443.64 2112 0.210
1.5/日とした場合 88 566.84 132 434.84 2112 0.206

この間の給湯・調理の消費量が正確に測定できていないのですが、暖房を使用していない2019.4月は平均1.29㎥、2019.10月の平均0.97㎥、一般的に冬季間の方が給湯エネルギーが増える事を考慮しての仮定ですが、1.3㎥/日として計算し、その場合の1時間あたりの平均ガス使用量は0.214㎥とします。

エコジョーズ(都市ガス) 2019.11.20~2020.2.15 単位
期間平均外気温 -2.5
期間平均室温(1F・中央) 22.3
期間平均室温(2F・北面) 20.1
平均消費量/h 0.214
最低値(23℃設定時) 0.12
最大値(23℃設定時) 0.31
セーブ運転時(深夜6時間) 0.15

次にエアコンですが過去記事を基に表にまとめたのが下記になります。

エアコン(電気) 2017.11.24~2017.11.30 2017/11/25 単位
期間平均外気温 0.1 -2.4
期間平均室温(1F・中央) 23.2 22.9
期間平均室温(2F・北面) 21.1 20.6
平均消費量/h 465 586
最低値(23℃設定時) 169 408
最大値(23℃設定時) 763 763

1週間の平均気温が約都市ガスのそれとは違うため、横に平均外気温の近いものを参考に載せました。期間の長さや、時期に違いはあれど実測した値は上記のようになりました。それを基に比較するのですが我が家においては平均外気温ー2.5付近では1時間あたり、都市ガス0.214㎥、電気586w程度かかるのかなぁ~と認識しております。

 

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一次エネルギー比較

電気、ガス、灯油の状態のままでは比較できないので一次エネルギーに変換してみます、まだ、それほど浸透してはいないのですが、BELSなどの建築物省エネルギー制度などで表される数字ですね。住宅性能の見方がq値からUa値に変わって、性能が見えづらくなったとの声が多いのですが、換気だけではなく、暖房、冷房、照明、給湯、その他のエネルギー計算をしてそれとUa値と合わせて見るんですよね、将来的には車の燃費みたいに「うちの家は500mj(メガジュール)/㎡」とかいうフレーズが一般的になるかもしれません。ともあれ、我が家においてのエアコンとセントラルヒーティングを見てみると下記のようになりました。

セントラルヒーティング(都市ガス)
消費量 単位 一次エネルギー/h
都市ガス 0.214 45 9.63
電気 0.16 9.76 1.56
11.19
エアコン
電気 0.586 9.76 5.72

セントラルヒーティングの運転時にはその電気も必要なわけで、それをHEMSにて観察していると、カタログ記載の定格電力のとおり、およそ160wで運転されていましたのでその消費電力も計算に含めます、一次エネルギーではエアコンに分があるようです。(都市ガス1㎥=45、電気1kw=9.76を代入)

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光熱費比較

同様に金額を比較してみましょう。選択するメニューによって単価は変わるのですが、北海道で都市ガスでセントラル暖房ならゆ~ぬっく24ネオ、電気は一般的な従量電灯Bが多いでしょうか。

北海道ガス株式会社:個人のお客さま/料金表一覧
電気料金メニューチラシ(従量電灯B・C/時間帯別電灯)

ガスは月ごとに単価が変わり、電気は使用量によってかわるのですが、ガスは2020年1月の単価で71.72円/㎥、電気は3段目の単価33.99円/kwに賦課金2.95円/kwを足したもので比較しました。下記はその表をまとめたものです。(基本料金、燃料費調整額は含まず)

セントラルヒーティング(ゆ~ぬっく24ネオ)
消費量 単価 金額/h
都市ガス 0.214 71.72 15.35
電気 0.16 36.94 5.91
21.26
エアコン(従量電灯B)
電気 0.586 36.94 21.65

単価においてはセントラルヒーティングにわずかに分があるようですが最近、オール電化、ヒートポンプ機器を持っている方向けの料金メニューもあるのでそれで比較もしたいと思います。

電気料金メニューチラシ(エネとくスマートプラン)
セントラルヒーティング(ゆ~ぬっく24ネオ)
消費量 単価 金額/h
都市ガス 0.214 71.72 15.35
電気 0.16 25.06 4.01
19.36
エアコン(エネとくスマートプラン)
電気 0.586 25.06 14.69
0.6 25.06 15.04
0.8 25.06 20.05
1.0 25.06 25.06
1.2 25.06 30.07

電気の単価は365日のうち297日を平日、土曜日、それ以外を日曜、祝日だとして均し、それに賦課金を加えたもです。このメニューだと、光熱費も安くなりそうですね。平均800w程度までなら、都市ガスのセントラルヒーティングと大きく変わらないでしょうか?

外気温に左右される難しさ

エアコンやエコキュートなどのヒートポンプ機器はその省エネ効率の高さが重宝され、天候の良い、暖房負荷のあまりかからない状況ではもっとも性能を発揮するところだと思いますが、条件が悪い、負荷の大きい時はそのようにはいかないようです。過去に何度か真冬にエアコンを使った時の消費電力の表です。立ち上がり時には一気に2.5kを超えたり、別の日には1.2kでずっと推移した状況で動いています。このように、暖房負荷が大きい場合は消費電力も一気に跳ね上がります。気温が零度を下回るくらいにはCOPの性能もドンドン下がっていくようです。(見方によっては1.2k=1200wというのはアイロンやドライヤーなどの家電で使われる消費電力で、それくらいで済めば少ないほうかもしれません)

エアコン2016.1.6.2019.1.6

まとめ

以上のことを簡単に表にまとめてみました。

 

暖房種 省エネ 光熱費 光熱費(厳冬) 快適性
セントラルヒーティング
エアコン

エアコンは省エネと光熱費という観点において、非常に優秀ですが、外気温が極端に下がると効率も下がるため、冬の長い北国、寒冷地においては、まだしばらくは灯油やガスといった化石燃料を暖房エネルギーとする選択がまだつづくかもしれません。暖房負荷の小さい(あまり氷点下にならない地域、またはもっと断熱性を高め暖房負荷を小さくし、定格消費電力以下で運転できるようであれば)エアコンやヒートポンプの効率が最大限に発揮されるため、それを選択する建設会社や施主が今後も増えていくのではないでしょうか。

※これは自宅の実際のデータを基にまとめたもので、住宅性能や、選択する設備機器の種類、大きさ、数量、設置場所によって変わることがあります。ただ、これから建てる方や、実際に住まわれている方の参考に少しでもなれば幸いです。

 

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