暖房停止時の内外温度差

温熱環境
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1週間の様子

3月中旬に途中で断念した無暖房のあと、間欠運転で過ごしてきた生活も5月に入ると気温も日中20℃前後まであがり、日差しが入ると暖房なしでも室温を押し上げてくれます。天然の暖房ですね。下記のグラフは1週間無暖房時の様子です。

温熱環境2020.05.07-13

なんといっても外気温の変動が大きくても室内の変動が小さく済むのが高断熱・高気密住宅のメリットでしょうか。この1週間のグラフをみると外気温は約20℃程の気温差がありますが、室内の変動は冷暖房なしに3℃程度で収まっています。外気温の上昇と共に室温が上がるのは理解できると思うのですが、日中の気温が10℃程度でも室温の低下が少ないのが高断熱・高気密住宅のメリットで、12.13日のように外気温が室温程に上がらなくても日射を取り込めば、室温を押し上げてくれるのが日射を考慮した計画でしょうか。(熱交換換気はなし)

下記はグラフを表にまとめたものです。

平均外気温(℃) 平均室温(℃) 最高温度(℃) 最低温度(℃) 内外温度差(℃)
24時間 9.5 21.2 22.6 19.9 11.7
48時間 15.7 21.6 22.9 20.4 5.9
72時間 16.0 22.3 23.3 21.2 6.3
96時間 10.9 21.5 22.4 20.6 10.6
120時間 12.7 21.4 22.3 20.6 8.6
144時間 15.5 21.9 22.9 20.7 6.3
168時間 13.9 22.3 23.4 21.5 8.4
期間平均 13.5 21.7 23.3 19.9 8.3

一日単位でみると、内外温度差は5.9~11.7℃と差はあるものの平均だと8.3℃程度でした。この8.3℃ってどれくらいの価値があるのでしょうか?

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もし無断熱の住宅だったら

この家が仮に無断熱で・外気温=室温だったとしたらどうなるのでしょうか?さらっと計算するとq値は約6.6程でした。(C値4.0と仮定して)

延床面積(132.5㎡)だとすると、室温を1℃上げるのに必要なエネルギーは

(6.6+4/10)x132.5=927.5w

8.3℃、1週間(168時間)上げ、保つには

8.3x927.5x168=1293.3kw必要です。

30円/kwだとして

電気ストーブ(COP1) 1293.3x30=38,799円

エアコン(COP4) 1293.3x30÷4=9,699円

1週間で上記のような金額がかかるとしたら、月に換算すると電気ストーブで166,000円、エアコンだと41,000程度、暖房コストがかかる計算です。これでは暖房費が恐ろしくて18℃未満の低温で厚着して我慢するか限られた空間だけ暖房するしかありませんよね。今まではそれが普通だったので不思議にも思わなかったのかもしれません、しかし、高断熱・高気密にするとこういった家の常識が非常識になってきます。日々の生活を我慢して健康を損なうより、少ないエネルギーで快適に健康でいる事のメリットの方が大きいと思いませんか?

 

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